もう嫌だ。もうホントに嫌だ。
空は高くて青くてからりと晴れて、
こんな日にスコップを振ってヤマトイモを掘るのはさぞかし気持ちが良いだろうと、
ウキウキ気分で畑に乗り込んだのです。
しかし、1つ目のイモを掘っている最中から、
そんな気分はどこへやら私は怒りながらイモを掘ることになってしまいました。
ヤマトイモは手イモと呼ばれることでも分かるように、イモが手のように広がっています。
で、何が掘りにくいって、土の中でどんな形になっているのか分からないのです。
大丈夫かな?とスコップを入れると、ぐさっと嫌な音がして案の定イモが切れているのです。
土の中からは雪のように真っ白な切り口が顔を出していて、
あーあ、やってしまったと落胆するのです。
そんなことが2度ほど続いて、よおし、今度こそは!と大きめに慎重に掘っていき、
やっと取り出して回りの土を取り除いてみると、
イモはなんとも貧相なねずみ大の大きさだったりするのです。
おまけにこの粘土質。土が重くて掘りにくい事と言ったらないのです。
もう!もう!と一人で怒りながらそれでも掘っていると、
10分ぐらいするとだんだん落ちついてきて淡々と出来るようになるのですが、
再びあの「ぐさっ」を聞くと、またもや猛烈に腹が立ってくるのです。
妙に熱く怒りながら掘ったイモですが、味は最高!今年も美味しいヤマトイモが出来ました。
さちこ
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